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【todoro】ニュースレター No.16 鉄の鍋とステンレスの鍋

こんにちは('-')/
todoroの平岡です。

8月に入りました。

今年はカレンダーの並び上、お盆休みが長めという方も多いのではないでしょうか。12日、13日あたりが休みかどうかで何連休になるかの分かれ目になりそうですね。

今回は調理器具選びに少し役に立つ、鉄製とステンレス製の鍋やフライパンの違いについて金属加工メーカーの視点から少し触れてみたいと思います。コーティングがあると素材自体の影響は小さくなるため、ノーコーティングのものを前提とします。

では、早速いきましょう。

まずは重さについて。

これは比重が関係しますが、どちらもほぼ8なので基本的に同じと考えて差し支えないです。

次に美味しさについて。

これはステンレスが大好きな自分でも、特に炒め物なんかは確実に鉄のフライパンで作ったものの方が美味しいと感じます。

最も大きい理由は熱伝導性の違いです。

ステンレスは金属の中でも熱の伝わりにくい金属です。つまりフライパンで焼き物や炒め物をするときに、フライパン内の箇所により温度差が生まれたり、下で燃えている火の熱がダイレクトに伝わりにくかったりするため、火の入り方にバラつきが出たり、強火のメリットが活かせずに短い時間で熱を通すことができなかったりします。

これは個人的な見解ですが、調理器具に限らず、鉄とステンレスでは加工メーカー数に大きな差があります。加工難易度や材料費の差から、圧倒的にステンレス系のメーカーの方が少ないのです。恐らく、需要があまり無い→技術開発が起こりにくい→製品開発が進まない→需要があまり無い、のスパイラルが発生しているように思います。たとえば薄いステンレス製のノーコーティングのフライパンなんていうのは店頭でほとんど目にしたことがありません。

また、鉄の鍋やフライパンは鉄が調理中に溶け出すため、フライパンや鉄器などを調理に使用することで栄養素としての鉄分を摂取できる、なんていうメリットもあります。鉄の匂いが移り過ぎるのを防ぐため調理後や速やかに取り出す方がいい、という意見もあるようです。

ステンレスの鍋は成分としては確かに鉄は多く含まれているのですが、その鉄はニッケルやクロムとガッチリ混ざり合って安定しているため、ステンレスのフライパンを使っても鉄分の摂取は期待できません。

次に手入れについてです。

鉄は錆びに弱いため、本来メッキや塗装や油の塗布などなんらかのコーティングが必ずセットになります。また、水分は錆びを著しく加速させるため、水分も厳禁です。実は工場内では鉄製の工業製品を製作している間も、ずっと気にされ続けています。このため、家庭においても使用後に水分を飛ばして油を塗る、という作業が必ず必要になります。鉄製のフライパンであれば洗剤も良くないとされていますね。当然油を塗った鍋同士を重ねて保管するとお互いに油がついてしまったりもします。

ステンレスであれば、洗剤をガシガシ使って完全に油分を取り切れるためとても衛生的ですし、正直すすいだ後も水切りカゴに放り込んでおいても錆びは出にくいです。防錆で油を引く必要もなく、鍋同士を重ねて保管するのも抵抗がありません。

ただし包丁は例外です。オールステンレスの包丁はステンレスといっても切れ味を増すために刃の部分には炭素が含まれているため、水分はきっちり拭き取らないと容赦なく錆びます。持ち手は大丈夫でも刃の部分だけ綺麗に錆びたりします。

調理器具としての使い分けですが、個人的には炒め物で食材をあおるようなフライパンとしては鉄、煮込み料理やスープ料理、お湯を沸かす場合はステンレス、と使い分けています。

実際に自分が購入する前は、コーティングの無い鉄のフライパンは錆びさせてしまうのではと不安でしたが、実際に使ってみるとお手入れも思ったほど手間ではなく、全くといっていいほどこびりつきません。コーティングがダメになって買い替えることもないため、快適に使用ができています。

快適に美味しく調理ができるキッチンツールがあると、より料理が楽しくなりますね。

最後に少し告知です。

todoroアイテムの製作担当メーカーであり、自身の経営する会社でもあるステンレスジョイント株式会社が2025年9月4日(木)~5日(金)の間、神戸ポートアイランドで開催される西日本最大級の総合展示会「国際フロンティア産業メッセ2025」へ出展します。(1号館2階「ものづくり」エリア「P-45」ブース)9月4日には出展者プレゼンテーションへも登壇予定です。(9月4日(木) 15:00~15:15 1号館1階 特設会場A)

一般消費者向けではないゴリゴリの製造業の展示会で、当日も工業製品の展示になりますが、神戸からお近くの方、お近くまでお越しの方、ついでがあればぜひ遊びに来てください。todoroの製品も端っこで小さく展示予定です。

またニュースレターでお会いしましょう('-' )\m/

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