【todoro】ニュースレター No.30 規格の話
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こんにちは('-')/
todoroの平岡です。
なんだか急に涼しくなりましたね。
出勤後に飲むコーヒーがアイスからホットに切り替わった朝に季節の変わり目を感じます。
朝夕の冷え込みと日中の日照りには大きな落差がありますので、寒暖差にはお気をつけください。
今日は久しぶりにマニアックな工業の世界にお誘いしてみようと思います。
規格の話です。
規格というのは工業の世界などでよく使われる「予め決めておくことで、ばらつきがちな判断が容易になる基準などの取り決め」のことです。国際的なものもあれば、業界の中で定められたものや、特定の企業の中でのみ通用するものもあります。
そんな規格を世界中のメーカーが様々なシーンで活用しています。
ある種、究極かつ普遍的な規格といえるものが「時間」ではないでしょうか。いわゆる1秒の長さというのは、どの国の誰にとっても一定です。これが違ってくるとえらいことになりますからね。
ただ、これはあくまで地球上でのみ有効な規格なので、他の星では通用しないでしょう。自転や公転の周期も違います。実際に土星は公転つまり太陽の周りを1周するのに30年近くもかかります。もし土星にも生命がいたら、地球でいう30年が土星の生命にとっての1年(呼び方も違うと思いますが)になるかもしれませんね。
実はこれと同じようなことが地球上でも起こります。
時間に次いで一般的な概念は大きさや距離です。つまり時間に対して空間を示す概念ですね。日本やヨーロッパを含む多くの国では基本的にメートル法が採用されています。つまりメートルやミリメートル、キロメートルを使う方法ですね。
余談ですが、メートルは漢字で「米」と書きますよね。キロという言葉は1000を示すので、「粁(米へんに千)」でキロメートルと読む漢字があったりします。
たまたまアメリカのことも「米」国と呼びますが、アメリカでは一般的にインチやフィートといった長さの単位が使われます。なかなか馴染みがないものですが、1インチは25.4ミリメートルであり、この数値は工業の世界ではわりと頻繁に出てくるので、多くの製造業従事者が頭の中に叩きこんでいる数値でもあります。
図面(ずめん)と呼ばれる、製作物を紙面上で示した資料の上では、長さの単位は基本的に省略されます。すると同じ1という数値でも、ミリメートルとインチで25.4倍もの数値の差が出てきてしまうことになります。取り違えて作れば、1センチのものは25.4センチに、1メートルのものはなんと25.4メートルになってしまいます。逆に、25.4で割り算することで、一応その解釈を揃えることができます。
なので工業の世界の人間は、25.4だけではなく12.7とか19.05とか6.35とかの数値を目にすると、「あ、これ1/2インチやな」とか「これは3/4インチ、こっちは1/4インチ」と反応してしまう癖があり、実は製造業従事者あるあるだったりします。笑
このように「決めておかないと困る」大量の取り決めが「規格」という形でまとめられています。
日本では圧倒的によく登場するのがJIS(ジス)という規格です。Japanese Industrial Standardsの略で、昔は日本工業規格と呼ばれていましたが、現在は日本産業規格と名称が変わっています。大きさや形だけではなく、その品質を評価するための試験方法など非常に多岐にわたり整備されています。
各JISには番号が振られており、各工場で頻繁に繙(ひもと)くことになる規格はその番号を覚えてしまうほどです。僕は仕事柄、「製図」「鉄鋼」「溶接」「配管」などのJISにとてもお世話になっています。
国際的な規格であればISO(アイエスオー)、アメリカではASME(アスメ)など、本当にたくさんの規格があり、日本国内でものを作っていてもISOやASMEなどの規格を英語で参照しないといけないこともあります。また、規格間で互換性をもたせるように制定されている場合もあります。
ちなみにカーオーディオ機器であればドイツの規格DIN(ディン)が採用されていることが多く、これのおかげで海外の車を買った場合でも日本のオーディオ機器がちょうど収まるよう搭載できたりします。規格にもお国柄が現れるのが面白いですよね。
実は、この「規格」によって「その業界の覇権を取れるかどうか」が変わり、結果その国の経済発展にも非常に大きな影響を与えるため、世界中の国で官民が協力し、今日も世界のどこかで見えない戦いが繰り広げられていたりします。
過去には1970年代から1980年代にかけ、家庭用ビデオテープの規格でVHSとベータマックスという2つの規格が世界中で非常に熾烈な争いを繰り広げました。勝者となったVHSはベータマックスを完膚なきまでに駆逐し、現在ベータマックスは事実上ほぼ消滅しました。現在では経営学の教科書に載るほど有名な事例となっています。
日本を代表する文化に寿司がありますよね。寿司職人は手の感覚でグラム数や米粒の数がだいたいわかる、なんて言われたりしますが、握り寿司1貫の重さはだいたい20~30グラムだそうです。じゃあ25グラムをもって1 nigiri(ニギリ)と呼びましょう、なんてことがあったら面白いですね。1.2 nigiri please.(=30グラムで握ってください) なんて言葉が世界中で飛び交ったら、笑ってしまいます。
またニュースレターでお会いしましょう('-' )\m/