【todoro】ニュースレター No.9 ニュースレター No.9 人情と効率

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配信日:2025年1月7日

あけましておめでとうございます。
todoroの平岡です。

今年も月に1回、第一火曜日にニュースレターをお届けします。よろしくお願いいたします。

今回は人情と効率にまつわる少し真面目な話。

一見相反する要素のように見えますが、本当にそうでしょうか、という話です。

色々なところで効率化が叫ばれて久しいですね。仕事だけでなく、家事だって例外ではありません。年賀状だってめっきり少なくなりました。

todoroの菜箸立てのhazureも「お手入れが簡単になること」に着目した製品です。

手抜きという言葉がありますが、囲碁の用語でもあり、相手の攻撃を相手せずに躱すというような意味で、その意味では特に悪い意味はありません。

個人的にも、徒(いたずら)に時間をかけるくらいであれば、早く終わらせてコーヒーを飲みながら本を読んだり、寝る時間に充てるほうが有益だと思います。

todoroには「小さな資源で大きな幸せを」という思想があります。資源というのは電気や水や紙などに限らず、時間や労力や人の気持ちに至るまで様々な形をしていると考えています。

少ない労力で大きな効果を上げる、というのは本来望ましいことのはずなのですが、しんどいことをする、大変な思いをする、ということが重要視されて、ある種神格化されてきた文化圏では、長くこの考え方は浸透しませんでした。

大変な思いは労われて然るべきですが、こと商いにおいては、「事業者の苦労がそのままお客様の幸せになるわけではない」のが実情です。例えば、セールスマンが重いカタログを遠方から持参したとしても、お客さんからすると「メールで送ってくれたらいいのに。そもそも今要らないよ」というような例です。

逆に移動や紙の印刷に使う時間や費用や労力を、「お客さんが知りたかったこと」の精度や量に割くことができれば、さきほどの例のお客さんは喜んでくれたのではないでしょうか。

todoroでも、この部分に注力して、本当の喜びに通じるものとは一体何だろうと考え悩みながら製品づくりに活かしています。

例えば、もし説明書を紛失してしまった場合でも、いつでも最新版をストアからダウンロードしていただけるようになっています。これは自分自身が説明書の保管に困った体験と、紙で置いておくにしてもデータで置いておくにしても、どこに置いたかわからなくなってしまった体験に基づくものです。todoroでは、お客さんの本棚もデータ容量も圧迫したくないのです。紙の説明書をスキャンする手間も、どうしたらいいかなという心理負担もかけさせたくありません。なので製品に同梱する紙の説明書にも「公式サイトでダウンロードできる」と明記しています。遠慮なく捨ててしまって大丈夫ですよ、という意図をお伝えするためです。

飲食店でもたくさんの工夫がされていますね。券売機に始まり、今や配膳ロボットも日常の光景となっています。

20年ほど前の大学の経営学のケーススタディで牛丼チェーンの吉野家さんの第一号店が取り入れられていたことがありました。少ない敷地でとんでもない売上を伸ばした伝説の店舗ですが、高効率の店舗経営の影には、お客さんとのコミュニケーションのために食券制は取り入れない、お客さんの湯呑みの角度でお茶の残りを見極めるなんていうサービスの極意もあったそうです。

ここにも人情と効率の両立があるように思います。時代とともに定義や考え方も変わりますので、柔軟に変わっていくことも大事ですね。

ちょっと固い話になってしまいましたが、todoroは今年の4月で10周年を迎えます。みなさんの喜ぶ顔を想像しながら記念すべき年を過ごしていけたらなと思います。

またニュースレターでお会いしましょう('-' )\m/

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